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日本人の2~3人に1人が高血圧、糖尿病患者と言われており、
その数は約4700万人に上ります。


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食後低血圧

「食後低血圧」とは?

Vol.94 知っておきたい「食後低血圧」 食事後に席を立とうとしたとき、めまいやふらつきを起こしたことはありませんか。もし、そんなことが何度かあったら、「食後低血圧」の可能性があります。
食後低血圧とはその名のとおり、食事後に急激に血圧が下がる症状のこと(※1)。食事性低血圧と呼ばれることもあります。

その典型的な症状がめまいやふらつきですが、人によっては強い立ちくらみを起こし、そのまま気を失うこともあります。高齢者の場合にはそのとき転倒して、骨折などの大ケガをすることもあるのでとくに注意が必要です。
また最近は、食後低血圧が脳卒中や心筋梗塞のひきがねになる可能性も指摘されています。それだけに疑いのある場合には、早めの対応が大切です。
血圧の低下が起こりやすい時間帯は、個人差はありますが、食後30分~1時間程度です。その後は次第に通常の血圧に戻るため、めまいやふらつきが食後低血圧によるものだと気がつかない方も少なくありません。
患者数についての詳細なデータはまだありませんが、欧米の例などから、65歳以上の高齢者では3人に1人程度が食後低血圧だと推定されています。したがって、加齢にともなってだれにでも起こりうるものだといえます。
失神や脳卒中などの大事にいたるまえに、食後低血圧の仕組みや対策について知っておきましょう。

(※1)病院では、食後の収縮期血圧(最高血圧)が食前と比較して20mmHg以上低下する場合、食後低血圧(食事性低血圧)の可能性があると診断されます。

食後低血圧が起こる仕組み

食後低血圧は、どのようにして起こるのでしょうか。
食事をすると、消化・ 吸収のために大量の血液が腸の近くに集まります(※2)。そのままだと心臓の血液量が減り、血圧は低下しますが、急激な低下は危険なので、私たちのからだ には心拍を速めたり、血管を収縮させるなどの方法で、血圧を維持するセーフティー機能が備わっています。
これによって、脳への血流も維持されているので、健康な状態では食後にめまいなどは起こりません。
ところが加齢や病気によって、体内の代謝をコントロールする自律神経などがスムーズに働かなくなることがあります。すると、食後の血圧を維持するセーフティー機能がうまく作用しなくなり、急激な血圧低下が起こりやすくなるのです。
一般に食後低血圧は、自律神経機能が低下しやすい高齢者に多くみられます。しかし、高血圧の方や糖尿病にともなう神経障害、パーキンソン病などの病気のある方にも起こりやすいので注意が必要です。
また、高血圧の治療のために、食前に降圧薬を飲んでいる方にも食後低血圧が起こりやすい傾向がみられます。思い当たる場合には、早めに医師に相談してください。

(※2)食事をすると腸管ペプチドという消化管ホルモンの一種が分泌され、血管を活性化させることで腸への血流が増加します。

食後低血圧かどうかを知る

食後にめまいやふらつきなどがよく起こる方は、まず自宅で食前・食後の血圧を測定してみましょう。
食前・食後ともに、安静状態で血圧を測定しますが、食後は血圧がもっとも低下しやすいとされる食後1時間頃を目安に測定します。その結果、食後の収縮期血圧(最高血圧)が食前よりも20mmHg以上低下する場合には、食後低血圧の可能性が高いといえます。
ただし、個人差もあるので20mmHg以上という数値はあくまでも目安とし、数日間測定し、低下幅が大きいと感じたら、自己判断せずに受診して医師に相談しましょう。自宅で測定した血圧値をメモしておき、医師にみせると、診断の参考になります。
食後低血圧と診断された場合、原因や症状などに応じた治療がおこなわれます。加齢にともなう食後低血圧の場合、食事の内容や方法などの生活指導のほか、全体の血流を増やしたり、反対に腸への血流を減少させたりする薬が使用されることもあります(※3)。
また、病気(糖尿病やパーキンソン病など)が原因と考えられる場合には、その治療も同時におこなう必要があります。あるいは食前の降圧薬が原因と推定される場合には、服用量を減らすなどの対応もとられます。
このように同じ食後低血圧であっても、原因によって治療法は異なるので、食後低血圧かどうかだけでなく、その原因も確認しておくことが大切です。

(※3)最近、金沢大学などの共同研究から、血糖値コントロール薬が食後低血圧の改善に有効であることが発見され、実用化も進んでいます。

日常生活での予防策

食後低血圧には、自分でできる予防策もいくつかあるので、試してみましょう。
①食べすぎない
食べすぎ、とくに炭水化物をとりすぎると、食後低血圧を起こしやすくなるので要注意。炭水化物は、ご飯、おこわ、麺類、パン類などのほか、砂糖をたくさん使った食品(ジャム、甘露煮など)にも多くふくまれるので、こうした食品を食べすぎないことが大切です。
②ゆっくり食べる
早く食べると、それだけ腸に血液が集まりやすく、食後低血圧を起こしやすくなります。ときどき箸を置きながら、ゆっくり時間をかけて食べるように心がけましょう。
③カフェインをとる
カフェインには血管を収縮させて、食後低血圧を予防する効果があります。コーヒーや緑茶などを食前・食後に飲んでみましょう。ただし、夕食後にカフェインをとりすぎると、人によっては眠れなくなることもあるので、朝食・昼食で試してみてください。
④食後にしっかり休息をとる
食事のあと、すぐに動こうとすると、めまいなどで危険なことがあります。食後低血圧の疑いがある方は、食後1時間以上はゆっくり休息をとりましょう。
なお、こうした予防策でも症状が改善されない場合には、早めに受診してください。
出典:オムロン